初産を終えたばかりの母親が、疲れきった顔で産婆に手を差し伸べる。






「ーーー見せて、ねぇ、見せて。



わたくしのやや子たちを………」






身体を横たえたまま、奥ゆかしい声で呟いた。





産婆ははっと我に返り、二人の赤子を両腕に抱え、母親に見せた。






「妃殿下。



お美しい………本当に光り輝くようにお美しい、皇女お二人でございます。



貴女様は、素晴らしいお仕事をなされました」







母親は、産み落とした子を霞んだ瞳で見つめた。






「………あぁ、なんて可愛らしい………。



二人とも、良い御子ですわね………。



皇太子殿下もお喜びになるわ………」








口ではそう言いながらも、母親の心には、不安の黒い靄が去来していた。