「ーーーお生まれになりました!!」





不浄の産屋に、赤子の泣き声が響き渡る。





「皇女でございます!!



お元気な、お美しい、女の御子でございます!!」






産屋を揺らすような大きな声で泣く赤子は、瞳の大きい、すっきりとした顔立ちの美しい稚児だった。







産婆たちがばたばたと動き回り、生まれた赤子を産湯に浸からせる。





しかし、年若い母親の産みの苦しみは、まだ続いていた。






「………あぁっ! まだです…!!



まだ、お生まれになります………!!」






一人の産婆がそう言うと、周りは騒然とした。






「ああ、まさかとは思っておりましたけど、やはり………」





「お双子でいらっしゃる………」






産屋中の視線が、一点に集まった。




額に汗を浮かべる母親の呻き声と、先に生まれた赤子を清める湯の音だけが、響いている。