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ソガノの席に戻ったタツノは、隣に座ったチキュの顔を覗き込んでいる。
さっきは泥酔して皇太子の座敷に闖入するという大粗相をやらかしたわけだが、今はふらふらと揺れながら大人しく座っていた。
「アカネ? どうしたんだ?
酔って気分でも悪いのか?」
するとチキュはぎろりとタツノを睨みつけた。
「気分だぁ??
悪いに決まってんだろっ!!
知らない間に、あんたみたいな女たらしの婚約者になってたんだぞ!!
アホじゃねぇか、あんた!!」
酔った目を半眼にして、舌を巻くように喚いた。
タツノは「まぁまぁ」と窘める。
「その件は、明日にでもまたゆっくり話そう。
それより、さっきはどうしたんだ?
光宮の顔をやけに凝視してたが…。
たしかに美人だもんな、それで驚いたのか?」



