天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

その時、チキュの視線が不意に落とされた。





酔いに潤む瞳で、じいっと見つめていたのは、ミカゲの白皙の顔である。






ミカゲもそれに気づき、視線を上げた。




チキュの顔はヴェール越しで、燭台の灯りを受けてもほとんど顔形は分からなかった。



もちろん、その表情を読み取ることもできない。





しかし、そのヴェールの奥から自分に遠慮なく向けられている真っ直ぐな双眸を、ミカゲは感じた。






「ーーーアカネ様、でしたかしら。



私の顔が、どうかいたしました?」






あまりにも見つめられて居心地が悪くなり、ミカゲは丁寧に訊ねた。





しかし、返事はなかった。





そのまま、婚約者のタツノに引き摺られるようにして、ソガノの席の方へと戻っていく。