天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

長身の息子からの軽く見下ろすような視線を受け、ムラノは慌てて姿勢を正した。




「………う、うむ………」




気を取り直して、頭の中で計算を始める。




(………『エーテル』を、タツノの嫁に?


………そんなこと、考えもしなかったな………。


そうすると、どうなる………?)




落ち着きをなくし、佇んでいるタツノと横たわる『エーテル』の周りをぐるぐると歩き回る。





もともと、ムラノが『エーテル』を探させていたのは、無論、ソガノ家の復興のための政治闘争に利用できると判断した上での打算である。




その政争上での有益性は、今も変わっていない。