天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

楽し気に語り合う二人を傍らに、クオンはどこへともなくぼんやりと目を向け、空になった杯を弄んでいた。





それに気がついたアスカは、つんつんとミカゲを突つく。





「見て、ミカゲ。クオンが…」



「あら、何ぼーっとしてるのかしらね」



「珍しいよね」



「お酒に酔ったのかしら………」



「どうだろう………」





そこでクオンは自分に注がれる視線に気づき、「ん?」と首を巡らせた。




「あっ、気がついた」



「クオン、何を考えてたの?」




クオンは「別に………」と口を開きかけたが、はっと視線を移した。





その先に、顎髭を撫でながら近づいて来るミチハがいた。