天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

タカハも顔を綻ばせ、二人を見つめる。




「タツノ殿、おめでとう。


他家のことながら喜ばしいよ。



それにしても可愛らしい姫ではないか。


ヴェールで顔が見えないのが残念だが………」





タツノはくすりと笑った。





「ありがとうございます、タカハ殿。



我が姫は深窓の令嬢でして、恥ずかしがり屋なのです。


このような公の場で顔を見られるのは耐えられないと申しましてね」





「そうかそうか、奥ゆかしい姫なのだな。


いやはや、お似合いのお二人だなぁ」






タツノとチキュを取り囲んで和気藹々と酒宴が繰り広げられる中、一人チキュだけが硬直していた。





クオンとミカゲ、アスカは少し離れた所でその様子を見ていた。





「なんだか初々しくていいわねぇ」




ミカゲが優しく微笑みながら言う。



アスカも頷いた。




「あの花嫁さん、すごく緊張してるみたいだね」



「きっと恥ずかしいのね、皆に注目されているから」



「きっとすごくおしとやかな姫君なんだろうねぇ」



「そうねぇ、少し落ち着いたら、ゆっくりお話したいわね」