天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

「へっ??

いいのか、オレが行っても?」



「いいから来い。急ぐぞ」




タツノはチキュの手を引き、女官に導かれつつ、堂々とした足取りで中央へと向かった。




その姿に、人々の視線が集まる。




「………まぁ、お噂は本当なのかしら」



「タツノ様が結婚なさるって?」



「陛下にご挨拶をされるのではなくて?」



「では、お連れになっているあの方が………?」





先程タツノに迫った美姫たちも、集まってタツノたちの姿を目で追う。




「ね、お手を引かれてらっしゃるあの方、さっきの小さい姫ですわよね?」



「あら、そうよそうよ!」



「えっ………ということは、あの方が………?」



「タツノ様の花嫁?」



「まぁ、信じられませんわ!

まだお子様じゃなくて?」




ざわめきの中を、タツノは皇家の座敷へと辿り着いた。