「ああ、婚約といえば」
タカハが唐突に思い出したように言う。
「どうした? タカハ」
天皇が訊ねた。
タカハはにこりと笑う。
「先ほどあちらで、若い姫君たちが話していたのですがね。
ソガノ家の後継者………タツノ殿も、先頃ご婚約されたのだとか」
それを聞き、天皇は目を瞠った。
「なに? そうだったのか。
知らなかったよ。それはめでたいな」
タカハが頷く。
「ええ。本当に。
噂によると長いこと遊び回っていたようですが、やっと腰を落ち着ける気になったんですな」
「ははは、なかなかの好き者らしいな」
「まぁ、あれだけの美男ですからな。
ああ、そういえば、その相手は今日の宴で発表するとか言ったようで、姫たちは色めき立っていましたぞ」
タカハが唐突に思い出したように言う。
「どうした? タカハ」
天皇が訊ねた。
タカハはにこりと笑う。
「先ほどあちらで、若い姫君たちが話していたのですがね。
ソガノ家の後継者………タツノ殿も、先頃ご婚約されたのだとか」
それを聞き、天皇は目を瞠った。
「なに? そうだったのか。
知らなかったよ。それはめでたいな」
タカハが頷く。
「ええ。本当に。
噂によると長いこと遊び回っていたようですが、やっと腰を落ち着ける気になったんですな」
「ははは、なかなかの好き者らしいな」
「まぁ、あれだけの美男ですからな。
ああ、そういえば、その相手は今日の宴で発表するとか言ったようで、姫たちは色めき立っていましたぞ」



