天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

タツノがチキュを見ていると、振り返って訊ねてきた。





「な、あの光宮って人。


なんであんなに白いんだ? 髪も肌も」





「ああ。生まれつきだと言うぞ。


身体に色を持たない体質らしい」





「へぇ………不思議なこともあるもんだなぁ。


でも、すごくきれいだ。


あの髪、雪の色だ」





タツノは聞き慣れない言葉に眉を顰めた。





「なんだ? 雪の色って」





今度はチキュが眉を顰める番だ。





「はっ? 天国って、雪も降らないのか?」




「いや、雪は降るが………。


色なんて考えたことなかったな」





タツノが平然とそう言うので、チキュは目を剥いて驚いた。