天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

光宮は、崇高な面に清浄無垢の笑みを穏やかに浮かべている。




誰もが恍惚とした様子で、その高潔な姿を眼に灼きつけようと、視線を送る。






その中で、チキュとタツノだけが異なる表情だった。





天邪鬼なタツノは、皆が崇拝するものになど興味は抱かない。





(………相変わらず、みな馬鹿の一つ覚えみたいに陶酔してるな。


少し見目が異なるだけで、ただの天皇の姪、皇太子の未来の妃というだけではないか………)





しかしチキュは、また違った表情をしている。





(…………なんなんだ?


あの人が出て来たら皆、あほみたいに口を半開きにして………)






そう思って、訝し気に眉を寄せ、首を傾げている。