天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

「……………」





タツノが呆然として答えられずにいると、チキュは嬉しそうに言う。





「そっかそっか、こいつらがねぇ。


あ、で、結婚の相手はどいつなの?」






悪気が全く感じられないだけに、本当に質が悪い。




タツノはもはや何を言う気力も失くし、ただただ立ち竦んでいた。





しかし女性たちは、結婚、という単語に異常な昂ぶりを見せた。





「なんですって!? 結婚!?」




「タツノ様!


とうとうご結婚をお決めになったのですか!?」




「まぁ、まぁ、一体どなたが選ばれなさったのかしら…!!」




「あれだけたくさんの姫君たちをお渡り歩きになって、時間をかけて吟味なさったのだもの。


さぞ理想のお方なのでしょうね………」






女たちは良家の子女としての嗜みで、口に出すことは勿論なかったが、もしかして自分が花嫁に選ばれたのかもしれないと、期待に目を輝かせている。