天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether








宴が催されるのは、天宮の中心、天庭だ。



近づくにつれ、華やかに着飾った女性たちや、その側に付く凛々しい正装の男性たちが多くなってきた。




この辺りの回廊は、燭台の数も多く、天貴人たちの居住区に比べて明るい印象だ。



人々の話し声や足音、宴に出される霞や酒類が運ばれる物音などで、チキュは久々に喧騒の中にいると感じた。






「………なぁなぁ。


皆まっしろな服だな」




ふと気がつき、チキュは一応気を遣って、なるべく小さい声でタツノに訊ねる。





「ん? あぁ。


白以外の服は穢れだと考えてるんだ、天の一族は」





タツノはまるで他人事のように答えた。



チキュはふぅんと頷く。