「ま、とにかく!!」




チキュは唐突に叫ぶ。




「オレは、ミチハって奴に注意してればいいんだな!」




一刻も早く話を切り上げたい、とでも言わんばかりに、性急に結論づけた。




タツノも黙って同意する。





知りたかったことが分かって満足気なチキュを見ながら、一言釘を刺しておこうとタツノは決意した。





「………アカネ。


お前、頼むから、宴の最中に余計なことしないでくれよ」





深刻そうなタツノの声に、チキュは「へ?」と首を傾げる。






「………だから。


目立たないように大人しくしててくれってことだよ。



俺の妹たちがすぐ近くにいるから、そいつらの見よう見まねで振る舞え。


おしとやかに喋るのなんか無理だろうから、とにかく喋るな。



笑う時もな、がははとかげへへとか言うなよ。


自信がなかったらもはや笑うな。



あと歩く時もがに股になってるから気をつけろ。


あとは………」






話すうちにどんどん心配事が増して、一言のつもりが長々と語ってしまった。