「ほぅほぅ。
タカハと、その弟のミチハね………」
官職の名など一つも知らないチキュは、太政大臣だの中納言だのと言われても、当たり前だが全く頭に入ってこない。
しかし訊き返して長々と説明されたりするのも面倒だと思って、黙って分かった振りをしていた。
「じゃ、俺を狙ってるのはそのフジハ家って奴らなんだな?」
チキュが確認するように訊くと、タツノは「いや」と否定する。
「正確には、フジハ家全体ではなく、ミチハ個人が狙っているのだと、俺は睨んでいる。
フジハ首長のタカハは、そんな悪巧みを考えたり、ましてや実行したりするような玉じゃない。
ま、ただの人の好い老人ってところだ」
「ふぅん。
じゃ、俺の敵は、ミチハなのか」
チキュはその名を頭に刻み込むように、「ミチハ、ミチハ………」と何度か口ずさんだ。
タカハと、その弟のミチハね………」
官職の名など一つも知らないチキュは、太政大臣だの中納言だのと言われても、当たり前だが全く頭に入ってこない。
しかし訊き返して長々と説明されたりするのも面倒だと思って、黙って分かった振りをしていた。
「じゃ、俺を狙ってるのはそのフジハ家って奴らなんだな?」
チキュが確認するように訊くと、タツノは「いや」と否定する。
「正確には、フジハ家全体ではなく、ミチハ個人が狙っているのだと、俺は睨んでいる。
フジハ首長のタカハは、そんな悪巧みを考えたり、ましてや実行したりするような玉じゃない。
ま、ただの人の好い老人ってところだ」
「ふぅん。
じゃ、俺の敵は、ミチハなのか」
チキュはその名を頭に刻み込むように、「ミチハ、ミチハ………」と何度か口ずさんだ。



