「ううん。なんでもないよ?
 今日も歌いに行く?」

「もっちろん♪」

菜奈にはこの思いバレたら、
いけないんだ。

このためにも。

もちろん。と言ったときの
菜奈の笑顔を護るためにも。

菜奈のことが好きだって
ばれちゃいけないんだ。


菜奈は愛が怖いから。
失うことを知っているから。