「あなたにそんなことできるんですか…」 脅えたように聞く菜奈に もちろんと笑顔で答えてあげた。 まあ、嘘だけどね。 そんなことできるほど世の中狭くはない。 ただ、菜奈が殺人鬼の娘という記事は 防ぐことくらいできる。 「…この記事がなくなったら、悠クンは。 幸せになれるのかな?」 ボソっと言った菜奈の声はあまり聞こえなかったが… 悠クン?って誰のことだろうか。