僕はそのページをじっと凝視した。

何かヒントは無いか・・・。

が、何も思い浮かばない。

僕は力なく首を振ると手帳をテーブルの上に置いた。

とにかく、明日にでも事件の起こった現場の廃ビルに行ってみよう。

何か解るかもしれない。

そう決めると、僕は次に尚子ちゃんの事を考え始めた。

尚子ちゃんと秀美は親友だった。

もちろん、僕とも仲が良かった。

もし、彼女が生きていれば秀美の失踪に関して彼女から何らかの手がかりが得られたに違いない。

しかし、尚子ちゃんはすでに自殺してしまった・・・。

もう、尚子ちゃんの線から秀美の行方を追う事は出来ない。

僕は思わず深い失望のため息を漏らした。