僕は小さな和室に通された。

真新しい畳の匂いがツンと鼻を突く。

お母さんは部屋の真ん中に置かれた背の低いテーブルの前に座った。

僕もそのテーブルのお母さんの真向かいに膝を崩して座る。

テーブルの上にはアルバムやら日記やら手紙やらが乱雑に置かれていた。

おそらく尚子ちゃんの思い出の品々なのだろう。

お母さんは膝を崩すと小さなため息を一つ吐いた。

「尚子から、優輝さんに伝言があるんです・・・」

「尚子さんから・・・」

僕は首を傾げた。

「何でしょうか・・・」