僕は目を凝らした。

携帯?

そう、それは、いつの間に開いたのか、秀美の携帯の液晶画面だった。

机の上でゆらゆらと揺らめきながら淡い光を放っている。

僕はゴクリと生唾を飲み込んだ。

なぜ、秀美の携帯が開いているのか?

もちろん、今まで熟睡していた僕が開けられるはずはない。

だとするならば、なぜ?

何かの気配。

僕は何か得体の知れないものの気配を感じた。

ゆっくりと天井を見上げる。

若い女性がゆらゆらと空中を漂いながら僕を見下ろしていた。