なぜ、秀美はわざわざあのメールだけを残して残り全てのデータを消したのか?

考えても考えても答えは見つからなかった。

疲労感を伴った長いため息が漏れる。

僕はベッドから立ち上がった。

いつまでも考え込んでいても仕方がない。

僕は机の上に無造作に置かれていた手帳を手に取るとベッドに戻ってきた。

再び、あのメールを開く。

このメールだけが残された唯一の手がかりだ。

送信者、受信日時等重要事項をメモする。

それが終わると僕はそのメールを消去した。