冬子さんがさらに言葉を継ぐ。

「秀美さんを心から許した事で麗子の恨みはかなりの部分が癒されました。

もう少しです。

あと少しで、麗子の霊は完全に浄化され、輪廻の大輪へと戻れます」

冬子さんは眩(まばゆ)いばかりの朝日が差し込む窓際に歩み寄った。

明けゆく暁の空を目を細めながら見上げる。

「そして、新しい人生を歩み始めるのです。

今度こそ・・・。

そう、今度こそ、幸せになれる、私はそう信じています。

その日が来るまで、私は絶対にあきらめない・・・」

そう言うと、冬子さんはニッコリと微笑んだ。