僕は耳から携帯を離すと、その画面をマジマジと覗(のぞ)き込んだ。

画面の中では人気アイドルReNちゃんがニコニコ笑顔で微笑んでいる。

僕は首を傾げた。

携帯に呪い殺される?

いったいどういう意味だ?

何かの悪戯(いたずら)だろうか?

しかし、秀美の声は酷(ひど)く怯(おび)え切迫していた。

とても、悪戯とは思えない。

僕は着信履歴を確認した。

秀美の電話は確かに秀美の家電から掛けられていた。

とにかく急いで秀美の家まで行ってみよう。

僕は、クルリと踵を返すと、駅に向かって小走りに走り始めた。