冬子さんが月島麗子の瞳を真っ直ぐに見詰めた。

「麗子・・・どんな時も・・・私はあなたの事を想っている・・・」

月島麗子が言葉を失った。

冬子さんがさらに言葉を継ぐ。

「あなたには過去を清算して、新しい一歩を踏み出して欲しいの。

そして、幸せになって欲しいの・・・」

「お姉ちゃん・・・」

月島麗子の目に涙が溢れ出した。

「ごめんなさい、お姉ちゃん・・・。

でも、無理なの・・・。

無理なのよ・・・。

自分でも自分をどうしようも無いの・・・」

なんという深い悲しみを、なんという深い絶望を、月島麗子の瞳は湛(たた)えているのだろうか・・・。

「麗子・・・」

冬子さんがぐっと唇を噛み締めた。



「それでも、



絶対に、



私はあなたをあきらめない」