「では、除霊を始めます」

そう言うと、冬子さんは僕達にクルリと背を向けた。

秀美の携帯を乗せた三方と向かい合う。

冬子さんは首から下げたクリスタルを右手で強く握り締めた。

目を閉じ、精神を集中しながら、ブツブツと呪文を唱え始める。

やがてクリスタルは再び淡い輝きを放ち始めた。

輝きは次第にその強さを増していく。

あらゆる魔を浄化する、癒しの光。

僕は瞬(まばた)きもせずに見入った。

清々しく心が洗われるようだ。

と、その時だった。