「では、結界を張りましょう」

そう言うと、冬子さんはあの五芒星の描かれた薄い皮のシートを指差した。

「そのシートに描かれた五芒星の中に入ってください」

「解りました」

秀美と一緒にその五芒星の星型の記号の真ん中へと入る。

僕達が五芒星の中に入った事を確認すると、冬子さんは胸に吊るしたクリスタルを右手で強く握り締めた。

目をつぶり、精神を集中し、何かブツブツと呪文の様なものを唱え始める。

やがて冬子さんの握り締めたクリスタルが淡く輝き始めた。

クリスタルの奥の奥から溢れ出る光。

少しづつそれは輝きを増していく。