冬子さんが大きく息を吸い込んだ。

「例えば喜び、悲しみ、感謝、そして、怨み。

このメールは麗子の深く激しい怒りと憎しみに満ちた憎悪の念を運びました。

そして・・・」

「そして?」

「麗子の悪霊はこのメールを介して秀美さんの携帯電話に取り憑いたのです」

なるほど・・・。

確かに、言われてみれば思い当たる所は多々ある。

僕は秀美の携帯を凝視した。

月島麗子の悪霊はこの携帯に取り憑いていたのだ。