僕はベッドから立ち上がった。

ツカツカと冬子さんに歩み寄る。

僕は冬子さんの両手を力の限り握り締めた。

そして、深々と頭を下げた。

「ありがとう。

ほんとうにありがとう」

冬子さんが照れたように苦笑う。

「そんなに強く握られたら痛いですわ」

僕は慌てて手を離した。

「すいません」