冬子さんが一瞬口ごもる。

「えぇ・・・」

しかし、冬子さんは意を決したように唇をギュッと噛み締めると、再び口を開いた。

「月島麗子の強姦事件についてなんですが・・・」

秀美の瞳孔がキュッと閉る。

「はい・・・」

「劇団の噂によると、あなたは尚子さん達を止めようとしたという事ですが・・・。

本当ですか?」

冬子さんが秀美の目をじっと覗き込む。

まるで秀美の心の奥の奥まで見通そうとするかのように・・・。

秀美は冬子さんの目を真っ直ぐに見詰め返すとコクリとうなづいた。

「はい。

でも・・・」