すっと、僕の傍(かたわ)らに人影が立った。

見上げる。

冬子さんだった。

険しい顔付きをしている。

「まだ、終わってはいませんよ・・・」

冬子さんが言葉を継いだ。

「いゃ、本当に大変なのはこれからです」

たしかに、冬子さんの言う通りだった。

月島麗子の悪霊はいまだ秀美に取り憑いたままで虎視眈々と秀美の命を狙っているのだ。

本当の戦いはこれからだった。