僕は慌てて冬子さんの上から降りた。

そのまま立ち上がり、服に付いた埃(ほこり)を叩き落とす。

冬子さんも少し遅れて立ち上がった。

同じく服に付いた埃を叩き落す。

僕はチラッと冬子さんを見た。

またもや冬子さんに命を救われたのだ。

心の底の底からぐっと深い感謝の念が込み上げてくる。

僕は冬子さんに向かって深々と頭を下げた。

「本当にありがとうございました」

冬子さんが照れくさそうにはにかむ。

「どういたしまして」