僕はさらに速力を上げた。

秀美の背中が目前に迫る。

秀美がまさに湖に飛び込もうとした、その瞬間、僕は秀美の背中に凄まじい勢いでしがみ付いた。

「止めろ。

止めるんだ」

僕は力の限り叫んだ。

「いゃ・・・。

止めないで・・・。

死なせて・・・」

秀美が僕を振り解こうと激しく暴れる。