「僕にはどうしても守りたいものがあるのです。

さあ、行きましょう」

僕は壁に掛けてあったジャケットを手に取ると羽織った。

大股で出口のドアへと急ぐ。

それを見ていた冬子さんがふっと微笑を浮べた。

「なるほど・・・」

そう呟くと、冬子さんはそれ以上何も言わず僕の後に続いた。

そう、

男になら誰にでもあるだろう。

命に代えても守らなければならないものが・・・。

僕にも・・・。

そして、あなたにも・・・。