と、その時だった。

僕はふっと冬子さんに視線を向けた。

冬子さんが食い入るように僕の胸元を見ている。

「この前差し上げたクリスタルの首飾りはどうなさったのですか?」

僕は慌てて自分の胸元を見た。

ない。

そこにはあのクリスタルの首飾りはなかった。

いったいどうしたのだろうか?

記憶の糸を辿る。

が、思い出せない。

おそらく今朝着替えたときにでも置き忘れたのだろう。

ぐっと後悔の念が込み上げる。