暗闇の中に光がユラユラと揺らめいている。

僕は目を凝らした。

洗面台の上に開かれた携帯が乗せられている。

光はその液晶画面の光だった。

そして、その画面の中では・・・。

秀美がニッコリと微笑んでいる。

なぜ秀美の携帯がこんな所に?

ゾクゾクッと悪寒が背中を這い上がる。

僕はブルブルっと震え上がった。

どうする?

相変わらず着信音は鳴り続けている。

電話に出るか?

それとも、このまま逃げるか?

僕は意を決するとゆっくりと洗面台に近づいた。