「優輝さん」

僕はビクッと振り返った。

冬子さんだった。

白い花柄のワンピースに大きなリボン飾りの付いた白いお洒落な帽子を被っている。

冬子さんはこういう清楚なファッションも良く似合っていた。

「あれ?

何をそんなに驚いているんですか」

冬子さんが悪戯っぽく笑う。

「いぇ、何でもないです」

僕はそう言うと誤魔化すように笑った。