すぅ~と汗が引いていく。

ビルの中は空調がよく効いていて快適だった。

見回すと、到る所に冴神光のポスターが貼り付けてある。

劇団出身の大スターだ。

当然と言えば、当然だが。

と、左手に受付を兼ねた事務室が見える。

その事務室に足を向けたその時だった。

「あれ?

優輝君?」

後から一人の女の子が僕に声を掛けて来た。