午前10時、僕は劇団の入っているビルの前に立った。

まだ新しい白いタイル張りのお洒落な五階建てのビル。

このビルの1階から3階まで劇団の様々な施設が入っているのだ。

僕は空を見上げた。

額にジットリと汗が滲む。

ジリジリと照り付ける太陽。

ジットリと湿気を帯びた生暖かい風。

まだ午前中だと言うのにすでに30度近い。

僕は大きなため息を一つ吐いた。

今日も暑くなりそうだ。

僕はビルのエントランスの扉を押し開けるとビルの中へと入った。