「さて・・・」

そう、小さく呟くと、僕はジャケットのポケットから手帳を取り出した。

最初からもう一度全体を見直してみよう。

何か見落としてはいないか?

僕は、ペラペラと手帳を捲りながら、頭から丁寧に情報を確認していった。

と、何かが引っ掛かる・・・。

何だろう?

その時、僕はアッと叫んだ。

僕は今になってようやくある事に気が付いたのだ。

あの強姦事件の容疑者の一人の名前は川井和也。

そして、心臓発作で死んだ政治家の名前は川井修蔵。

二人は苗字が同じではないか?

僕はゴクリと生唾を飲み込んだ。

という事は・・・まさか・・・。