秀美が僕の手の届かない所へ行ってしまう。

そう、

どこか、僕の手の届かない遠い所へ・・・。

最近僕はそんな不安に怯(おび)え続けていた。

ふっと、我に帰る。

僕は大きなため息を一つ漏らした。

窓から夕日が差し込んでいる。

僕は携帯を取り出すと時間を確認した。

午後六時。

いつの間に時間が経ってしまったのか、もう、こんな時間だ。