膝に両手を突いてハアハアと肩で激しく息をする。

しかし、本当に危ない所だった。

しばらくそのままの体勢で息を整える。

ようやく息も収まって来たその時だった。

「無事で良かったですね」

頭の上から若い女性の声が響いた。

ゆっくりと顔を上げる。

さっきの女性が微笑を浮べながら僕を見下ろしていた。

思わず勢い良く後すざる。

僕は女性を指差しながらパクパクと激しく口を動かした。