しばらくの間、僕は秀美の部屋の中を掻(か)き回し続けた。

しかし、秀美の行方に関する手がかりらしい手がかりは何一つ見つけられなかった。

小さなため息が一つ漏れる。

僕は少し手を休めた。

ふと、机の上に飾られた写真立てに目が止まる。

笑顔の僕と秀美。

去年の夏、一緒に沖縄に旅行に行った時の写真だ。

青い海。

白い雲。

銀色の砂浜。

懐かしさに胸がキュッと締め付けられる。