「ぶっ笑
悪かった悪かった」
掴みやすい頭だったからつい。
そう言って頭をわしゃわしゃしてくる土方。
痛みを紛らわそうとしてんのか、
ただ頭をボサボサにしたいだけなのか。
とりあえず、
…絶対、悪かったと思ってねぇ←
あたしはキッと土方を睨んだ。
…つーか、掴みやすい頭って何だよ!?頭って掴むものなのかよ!?
あたしはまだ残る痛さと怒りに顔を引きつらせながら、
「あたしの頭は握力計じゃねぇんだぞ!!!つーか、触るな気持ち悪い!!」
ベシッと土方の手を叩いた。
すると、土方はくくっと笑いを堪えながら、
「涙目で言われても迫力ねぇよ←」
と言い、手を止めようとしない←
しかも、さらに手の動きが荒くなった。
「〜っ!!!」
いらいらして、ムスッとしていると、
不意に眠気が襲ってきた。
そういえば今、真夜中でしたよ。
普段ならとっくに深い眠りに落ちている時間だよ。
明日巡察だってのに、アイツ(沖田)のせいで…!!
そんな事を考えていたが、
わしゃわしゃと無駄に心地いいリズムで頭を揺らされて…
あれ、だんだん目の前が暗く…
…。
「…おい、此処で寝んのか?
襲ってもしらねぇぞ。」
「…!」
真隣から聞こえてきた声に、
現実に引き戻された。
此処、土方の布団だった!!!←今更
「なぁーにが、襲うだ!あたしは既に頭に重傷を負って…る…」
部屋に戻らなきゃと起きあがろうとするが、しつこくわしゃわしゃしてくる土方に、
こいつ…何かハンドパワーでも持ってんのかよ…
…。
「…おい、日向…、
…って、マジで寝てんじゃねぇか」
あたしの意識は夢の中へと連れ戻された。
「…生殺しにする気か、こいつは。」
と、土方が溜息をついたのを
あたしは知る由もない。

