「…っぶねぇな、
何やってんだテメェ。」
紙一重であたしの刀を避けた土方は
青筋を立てながら睨んできた←
「…ちょっと邪悪な気配がしたもので。←」
「あ"?明らかテメェの方が邪悪な心してんだろ。抜き身の刀思いっきり振り下ろしやがって。」
顔を引きつらせる土方に、
あたしは刀を鞘に納めながら
ふんっと鼻を鳴らした。
「いつ敵が来ても対応できるって事だ。優秀な部下を持った事に感謝するんだな←」
「優秀な部下はそんな口きかねぇがな。…つーかテメェ、こんな時間に刀持って何やってんだよ。
…まさか、怪談が怖くて寝れねぇのか??ww←」
土方が馬鹿にしてきた←
…。
「ち、ちげーよ!!!!!(図星w)
妖術修行だ、妖術修行!!
夜なら人目を気にせず思いっきり出来るからな←」
あたしは刀をブンブンと振り回しながら言った。
顔が苦笑いになりそうなのを堪えていると、土方がほぉー?と意味深に相槌をうった。
そして、ニヤリと口角を上げた。
「じゃあ、さっき思いっきり悲鳴を上げてたのは幻聴だったっつー訳か←」
…。
「…あ"?幻聴だ幻聴←
というか、あたしにはテメェの悲鳴が聞こえたけどな←」
内心、冷や汗ダラダラのあたしは
無理やりニヤリと笑みを浮かべて言った←
けど、聞こえたのは確かだ←
鬼の副長ともあろうお方が、
女みたいな悲鳴を上げたのが…
「…ブッ(笑)」
「テメェ、喧嘩売ってんのか?あ"?」
思わず吹き出してしまったあたしを
ギロッと睨む土方←
「…くっ…(笑)」
睨んではいても、
声が動揺しているので
全く迫力がない土方に
さらに吹き出しそうになるのを
必死で堪えたw←
「テメェなぁ…!」
土方がきれかかったその時、
ガサッ
「ギャッ…!!??」
風が吹いて、
庭の木々がざわめいた音に、
思わずその場を飛びのいてしまった←
この場にいるのがあたし一人じゃないってだけマシだけど、外はもちろん、屯所の中全てが真っ暗だ。
あるのは月明かりだけ←
そんな真っ暗の中、
物音にビビるなという方が無理だw←
あたしは物陰から恐る恐る
庭に何もいない事を確認した。
…ん?
物陰??
隠れるようなものなんてあったっけ?
あたしは疑問に思いながら
隠れていたものを見上げると…
「…テメェ、やっぱ恐いんだろ?w」
「……うわあああああ!!??」
土方が笑いをこらえながら、
あたしを見下ろしていたので、
再びあたしはその場を飛び退いた←
とっさに隠れた物陰とは、
土方の背中の後ろだった←
…楠木日向、一生の不覚なり。←

