「…。」
部屋の中に入ろうと振り返ると、
月明かりで明るい廊下に対して
部屋の中がものすごく暗く、
なんかゴゴゴゴゴ…という音でも聞こえてきそうなくらい威圧感←
あ、あれ、あたしの部屋って
入るのにこんなに恐怖を覚えたかしら。
今さっきまでいた所だよね。←
何で戻るだけなのにこんなに怖いのさ←
あぁ、そうだよ。
さっきの怪談のせいだよボケぇええ!!!!!
あたしは、ゴクッと唾を飲み込んで
部屋から一歩遠ざかった←
さっきまで外が怖かったハズなのに
今度は部屋の中…←
入るか入らないか。
…でも入らないと寝れないし。
前に動け!あたしの足!!
と、心の中で葛藤している間も、
周りは不気味なほど静かで、
微かな物音でさえも不気味に思わせる。←
明かりつけとけば良かった…←
そして、ふと思い出す。
人斬り集団とも言われる新撰組。
いくら幕府の為に働いているといえど、
人を殺しているんだから
恨みとか数えきれないほど買っているだろう。
だとしたら…
カサッ…
「…っ…!」
屯所にも…いたりする…?
変な考えが頭をよぎり、
あたしはその場で硬直した←
お、落ち着け落ち着け!!
あ、あたしは白狐だぞ!?
妖怪だぞ!?
きっと幽霊より断然強いぞ!?
しかもよく考えろっ!
物音??
幽霊ってアレだろ!?
透明なんだろ!?
スケルトンなんだろ!?
なら物音出せる訳ないよね!?
ただの物音だよね!?
それともアレか!?
ポ、ポルターガイスト!?
え、いやでも、ポルターガイストってあたしでも出来る???
つーか、ポルターガイストって何だよ!?
「…。」
一通りの推測?を終えたあたしは
ぎゅっと刀を握りしめた。
よし。
山南さんの部屋へ行こう←
目が冴えてしまったあたしは、
一人じゃちょっと…いや本当にほんのちょっとだけ怖いので、
誰かの部屋にお邪魔しようと考えた結果、
近藤さんは邪魔したくない←
土方&沖田は論外←
平助は頼りない←おい。
原田&永倉は絶対部屋に入りたくない←
斉藤は部屋遠い←
山崎は死ね←おい。
という消去法で、
山南さんに決定←
部屋も土方の部屋を挟んで隣で近いし。
山南さんなら快く受け入れてくれそうだし←
…起きてるか分からないけど←

