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「日向って本当馬鹿だよね。」


「どーなっても知らねぇって言ったのによー。」


「…。」


沖田に手を引かれ、
大砲から降ろされたあたしは
アハハ…と苦笑いした。


大砲の上から叫んだ直後、
裏から回ってきた土方達や、
最前線にいた沖田達がやってきて、
あたしの周りにいた長州浪士は
すべて倒された←


なんでそんなに
すぐに来れたのかというと、


「日向も馬鹿だけど、
長州も馬鹿だよね。
一人相手に半分以上の人数って。」


お陰で超スムーズに来れたんだけど。
と沖田。


そうなのだ。
あたしが大砲の上に居たお陰で
浪士の注意がそれ、
スムーズに倒す事が出来たのだ←


「馬鹿馬鹿いうな。
感謝しろ、コンチクショー。」


あたしがむすっとしていると、
土方が顔をしかめた。


「テメェ、
何で大砲の上に乗ってたんだよ。」


一人で乗り込むとか馬鹿じゃねぇの。
そう言う土方に、
あたしはふんっと鼻を鳴らした。


「だから馬鹿っていうな馬鹿。
大砲がうっとおしいから止めてやったんだよ。しかも敵の注意も引きつけて。
あたし超偉いわー。」


ちなみに、牛若丸目指してみました←
と再び大砲の上に飛び乗ると、


「…牛若丸に失礼だろ。」


超間抜けな終わり方じゃねぇかよ←
とククッと笑う土方に、


「んだとコラ。


…ん?」


飛び蹴りを入れようと思ったが、
異様な気配にあたしは周りを見渡した。


「どうした?」


周りを見渡したが、
戦闘が終わった御所前には、
人の亡骸と勝った幕府軍がいるのみ。


そして、その異様な気配も
一瞬だった。


「…いや、何でもない。」


気のせいか…?


本能で危険を感じ取ったのか、
無意識に刀に手をかけていた。


その手を降ろし、
あたしは首を傾げながら
大砲から飛び降りた。