続・新撰組と妖狐ちゃん!



…。


…って、ちょっと待て。


「…大砲撃ってる奴を殺れば良くね?」


大砲の周りには、
武器を持たず忙しく動き回っている
四人ほどの長州浪士。


大砲を壊さずとも、
そいつ等を殺れば止められる!


「今さら気づいたの?」


あたしがおお!と感激していると、
沖田が馬鹿にしたような目で見てきた。


「はぁ?大砲どうにかしろって言ったのはテメェだろ。」


あたしがジトッと睨むと、
沖田がはぁ…と溜息をついた。


「僕は『アレをどうにかしたら大丈夫だよ?』って言っただけで、大砲とは言ってないけど?」


…。


「名詞を言え、名詞を!!!
テメェは何処ぞの亭主関白か!!!」


いるよね!
アレとかコレで命令してくる旦那!!


最近はあれですよ!?
主夫とかの時代ですよ!?
男も家事をやる時代ですよ!?
男も謙虚じゃないとモテないぞ、
このヤロー!!!


…って、時代違いますね、はい←


「大丈夫、僕はもっと具体的に物事を言ってお嫁さん虐める派だから←」


「…ソーデスカ。」


分からん、こいつの思考回路が。
…というか分かりたくないよね←


ちなみにお嫁さん候補、日向ね★
とか黒く微笑んでるのは
見えなかった事にしておこう。


なんか、こいつといると、
現実逃避する機会が多いよね。←


「…。」


まぁ、気を取り直して。


ふぅ、と一息ついて、
あたしは大砲を再び睨んだ。


大砲までの距離は約20m。
その手前にはたくさんの長州勢。


なんで、こんなに長州浪士がいて、
長州浪士は大砲に撃たれないんだろ←
理不尽だよ、理不尽。←


「んー…」


ザシュッ


「ぐはっ!!!」


次々とやってくる浪士を斬りながら
あたしは考える。


このまま進んで長州浪士を全員斬るのもいいけれど、


大砲をいち早くどうにかしたいんだよね、あたし的に←


あたしの刀を妖刀として使えば、
もしかしたら、大砲の玉とか大砲とか
斬れるかもしれないけど、
こんな公の場で出来る訳ないし←