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ザシュッ


「う"ぁ!!!」


「…っと。」


一番隊は最前線を任されていたので、
あたしは長州勢が一番多い所で
刀を振るっていた。


斬りかかってくるのは、
たまーに強いのがいるくらいで、
後は皆雑魚。


そして、
幕府軍に対して長州の人数は半分以下。
いや、それよりもっと少ない。


だから、圧倒的にあたし達が有利。


…のハズなんだけど←


ドーーーンッ!!!!!


「ぎゃああああ!!!!
沖田、これどうにかなんないの!?」


あたしの真横を通過した
黒い丸い物体に冷や汗を流していると、
沖田ははぁ…と溜息をつき、
周りにいた長州浪士を一気にズバッと斬った。


…そんなに簡単に殺れるなら
最初からそうしろよ。←


前みたいに痛い目みるぞ、
あたしが顔を引きつらせると、
沖田がパッと黒い笑顔に変わった。


…のは気のせい気のせい。


そして、
沖田は長州勢の中を指差して、


「アレをどうにかしたら大丈夫だよ?」


そう言った。


「…。」


皆様、あたしが起きた原因を思い出してみて下さい。


ご覧ください、アレが、


「鉄で出来てる大砲をどう壊せって言うんだよアホ!!刀!?刀か!?刀で斬れってか!!??」


大砲でございます←


沖田が指差した先には、
ごつい黒光りしている
(ゴキ○リじゃないよ←)
でっかい大砲があった。


明らかに長州より有利な幕府軍が
手こずっているのは、
この大砲のせいだった。


長州勢に近づこうにも
ドンドン撃ち込まれちゃ中々進めない。


あたしや沖田などの実力者は
大砲をうまい事避けて
かなり近くまで迫っているけれど、
それでも、


ドーーーンッ!!!!!


「あ"あーー!!!
もううっとおしい!!!」


戦闘のかなりの妨げとなっている。


最前線まで来れるのは
さっきも言ったように、
数少ない実力者ぐらい。


だから結果的に、最前線では、
幕府軍より長州の人数の方が多く、
不利な状況って訳。


…って、解説してる場合じゃなくて←


「…ちっ。」


今この場には新撰組は半分しかいない。
近藤さんはいるけれど、
土方や山南さんの姿が見られない。


多分、土方達が残り半分を引き連れて、御所の裏の方から回って
挟み撃ちにしてくれるんだろうけど…


御所は広いんです。←
挟み撃ちするのには相当時間がかかる。


それを待っていると、
こちらの戦力はどんどん削られていく。


チクショー、にっくき大砲め。


と、あたしは大砲をキッと睨んだ。