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「わー…天皇って
こんなデケェ家に住んでんの…」


遠くからは見たことあるけど、
近くで見た事はなかったしなー…


「いや、家のレベルじゃないでしょ。」


御所を見上げながら驚くあたしに、
沖田がつっこんだ←


あれからすぐに皆出動準備をし、
あたし達は御所へとやってきた。


しかし、そこには既に先客が←


「会津藩に、薩摩藩か…」


先頭の近藤さんの隣に並ぶ土方が、
なんとも言えない顔をした←


御所の門前で長州対峙していたのは
新撰組の何倍もの数の武士たち←


会津藩は池田屋の時に
見たことあるけれど…


「…薩摩…


…芋?」


「ちげーよ。」


長州より西にある藩だ。
と土方が顔をしかめた←


「…。」


さつま芋か…
時期は秋だから食べられるのは
もう少し先か…


ぐぅぅぅぅぅ〜っ


「…戦場を前にして、
何腹鳴らしてんだテメェ。」


「だって朝餉食べてないじゃん。
あたしはテメェより早起きして、
さらにテメェを起こすのに労力使ってんだよ。腹減るわアホ。」


顔を引きつらせる土方を、
ジトッと睨んだ←
すると、


「あ?んなの気の持ちようだろ。
戦場を前にして気が緩んでんだよ。
そのうち斬られるぞ。」


ギロっと睨み返された。←


「あ"?あたしは戦場で心に余裕が出来るくらい強いって事だろ。」


あたしはふんっと鼻を鳴らして、
手を組んで上に伸ばした。


そんな事をしている間に、


「では我々も応戦するぞ!」


「「「おう!」」」


近藤さんが駆け出し、
その後に隊士達が続いていった。


「…あり?」


あたしと土方を置いて←


「一番隊、楠木日向さーん。
今すぐこちらに来ないと、
長州もろともあの世へ送るよー」


先に駆け出した隊士達の中から、
大魔王様の地獄のアナウンスが聞こえてきたのは、気のせいにしておこう。←


「ちょ!!土方のせいで出遅れたじゃねぇかチクショー!!」


「あ"!?それはこっちのセリフだ!!」


あたしと土方はシュッと刀を抜き、
近藤さん達の後を追った。