翌朝、妖精王が暴れているという情報を聞きつけて、チェルミたちは出かけていった。
そして、王室の武官たちがウィルス感染した人をかたっぱしからジェミオが作った薬を投与して治していった。
感染者の多くは妖精族であったため、ジェミオの薬はとても役に立っていた。
そして、最後の薬を2つ持ってチェルミとディルバは妖精王に向かっていった。
「来る!!」
ディルバは慌ててチェルミを抱いてテレポートした。
着地して少ししてから、追ってくる。
「十分、逃げられる・・・今なら。」
ディルバは逃げながら考えていた。
今なら、薬を投与できるのではないか?
魔法を使うのは薬を使ってからでないと、向かっていけない。
しかし、ディルバはチェルミを抱いて逃げなければならない。
疲れれば、いずれは追いつかれてしまうだろう・・・。
「チェルミ、頼みがある。
次の次で、薬を妖精王に飲ませる。
飲ませることはできるだろうか?」
「やってみる。それしかないみたいだもん。
私の呪文は動きが封じられないと無理だし。」
「よし、じゃ、次逃げるから。
そして、その次は少し逃げ遅れる。
その隙にいいね。
それともしかしたら1本じゃ効かない場合も考えられる。
とにかく、君が危なくなったら俺から逃げるんだ。」
「それはダメ!そんなことをしたら・・・。」
「俺がもう1本を与えるからとにかく逃げろ。」
「嫌、私はディルバといっしょに居たいから。」
「頑固なお姫様だなぁ・・・。わかった、じゃ、2本目のときは俺の後ろへ下がっているんだ。
それならいいか?」
「わかったわ。私を守ってね。」
スッと出た言葉だったが、チェルミは落ち着いて考えると顔が熱くなってしまった。
しかしすぐに現実はそんなのんきなことを考えている場合ではなく、チェルミが気づくともう妖精王がすぐ近くにきていた。
「お願い、飲んで!」
ゴクリ・・・と音が鳴ったが、すぐに効果が出ない。
妖精王はすぐにチェルミに右手でパンチがくりだされたが、一瞬ディルバがテレポートして回避できた。
「だめだわ。1回分じゃ効いてない。」
「よし、次は俺がやる。」
「でも・・・」
「妖精王は動きを把握してる。次は必ず、君にあのすごいパンチが当たることになる。」
「うっ・・・そうね。
こっちは必死なのに、まるで子どもの相手をするように攻撃してきたわ。」
「そうだろ。自分の動きが速いと相手のことがよくわかるんだ。」
「ディルバもそうなの?」
「ああ。俺には彼の動きさえ、ゆっくり見えた。」
「もしかして、あなたの方が速いんじゃないの?」
「たぶん・・・。
でも、俺はひとりじゃないし。」
「ごめんなさい、私のせいだわ。」
「何を言ってるんだ?そもそもこの戦いは魔法使いたちの嘆きだったはずだろ。
次で動きが遅くなったら攻撃するんだ。わかったね。」
「ええ。」
そして、そういっている間に、再びディルバに妖精王は接近してきた。
「今だ、それっ!これでおとなしくなるんだ!」
「ぐぉ・・・うぉ・・・うぐっ・・・ああっ・・・」
「よし、攻撃頼む!」
ディルバの声に合わせてチェルミや後を追っていたカリフたちが攻撃し始めた。
「チェル、チェル、チェルリ、チェルリ、ラブ、ラボ、ラヴァ・・・!」
そして、妖精王は薬の効果のせいなのか、少し目を開いて口を開いた。
「誰か知らぬが、私を止めてくれてありがとう。
自分でしでかしてしまったことは見えていた。
でも自分ではどうすることもできなかったんだ。
私はどうしたらいいのかもう理解している。
自分で動くことはできないが・・・魔法の国には多大な迷惑とたくさんの犠牲を出してしまった。
申し訳ないことをした。
私を処罰してくれ。」
ミロアは握りこぶしに力をこめていたが、力を抜くと一言つぶやいた。
「君に悪意がないことはわかった。
しかし、国王と王家の何人かは亡くなってしまった。
悲しいことだが・・・君だけは許されない。」
妖精王はうっすら笑みを浮かべて、ミロアに攻撃しろと手で合図した。
ミロアは涙を浮かべながら、妖精王に攻撃して形なきまでに消してしまった。
「こんな病気が流行る前に出会いたかった。
妖精王だって、化け物扱いされて死にたくなかったと思う。
チェルミ、ディルバありがとう。
これから他のウィルス感染者の数を把握して、少し法改正もしなくてはいけないと思う。」
「お兄さままさか・・・?」
そして、王室の武官たちがウィルス感染した人をかたっぱしからジェミオが作った薬を投与して治していった。
感染者の多くは妖精族であったため、ジェミオの薬はとても役に立っていた。
そして、最後の薬を2つ持ってチェルミとディルバは妖精王に向かっていった。
「来る!!」
ディルバは慌ててチェルミを抱いてテレポートした。
着地して少ししてから、追ってくる。
「十分、逃げられる・・・今なら。」
ディルバは逃げながら考えていた。
今なら、薬を投与できるのではないか?
魔法を使うのは薬を使ってからでないと、向かっていけない。
しかし、ディルバはチェルミを抱いて逃げなければならない。
疲れれば、いずれは追いつかれてしまうだろう・・・。
「チェルミ、頼みがある。
次の次で、薬を妖精王に飲ませる。
飲ませることはできるだろうか?」
「やってみる。それしかないみたいだもん。
私の呪文は動きが封じられないと無理だし。」
「よし、じゃ、次逃げるから。
そして、その次は少し逃げ遅れる。
その隙にいいね。
それともしかしたら1本じゃ効かない場合も考えられる。
とにかく、君が危なくなったら俺から逃げるんだ。」
「それはダメ!そんなことをしたら・・・。」
「俺がもう1本を与えるからとにかく逃げろ。」
「嫌、私はディルバといっしょに居たいから。」
「頑固なお姫様だなぁ・・・。わかった、じゃ、2本目のときは俺の後ろへ下がっているんだ。
それならいいか?」
「わかったわ。私を守ってね。」
スッと出た言葉だったが、チェルミは落ち着いて考えると顔が熱くなってしまった。
しかしすぐに現実はそんなのんきなことを考えている場合ではなく、チェルミが気づくともう妖精王がすぐ近くにきていた。
「お願い、飲んで!」
ゴクリ・・・と音が鳴ったが、すぐに効果が出ない。
妖精王はすぐにチェルミに右手でパンチがくりだされたが、一瞬ディルバがテレポートして回避できた。
「だめだわ。1回分じゃ効いてない。」
「よし、次は俺がやる。」
「でも・・・」
「妖精王は動きを把握してる。次は必ず、君にあのすごいパンチが当たることになる。」
「うっ・・・そうね。
こっちは必死なのに、まるで子どもの相手をするように攻撃してきたわ。」
「そうだろ。自分の動きが速いと相手のことがよくわかるんだ。」
「ディルバもそうなの?」
「ああ。俺には彼の動きさえ、ゆっくり見えた。」
「もしかして、あなたの方が速いんじゃないの?」
「たぶん・・・。
でも、俺はひとりじゃないし。」
「ごめんなさい、私のせいだわ。」
「何を言ってるんだ?そもそもこの戦いは魔法使いたちの嘆きだったはずだろ。
次で動きが遅くなったら攻撃するんだ。わかったね。」
「ええ。」
そして、そういっている間に、再びディルバに妖精王は接近してきた。
「今だ、それっ!これでおとなしくなるんだ!」
「ぐぉ・・・うぉ・・・うぐっ・・・ああっ・・・」
「よし、攻撃頼む!」
ディルバの声に合わせてチェルミや後を追っていたカリフたちが攻撃し始めた。
「チェル、チェル、チェルリ、チェルリ、ラブ、ラボ、ラヴァ・・・!」
そして、妖精王は薬の効果のせいなのか、少し目を開いて口を開いた。
「誰か知らぬが、私を止めてくれてありがとう。
自分でしでかしてしまったことは見えていた。
でも自分ではどうすることもできなかったんだ。
私はどうしたらいいのかもう理解している。
自分で動くことはできないが・・・魔法の国には多大な迷惑とたくさんの犠牲を出してしまった。
申し訳ないことをした。
私を処罰してくれ。」
ミロアは握りこぶしに力をこめていたが、力を抜くと一言つぶやいた。
「君に悪意がないことはわかった。
しかし、国王と王家の何人かは亡くなってしまった。
悲しいことだが・・・君だけは許されない。」
妖精王はうっすら笑みを浮かべて、ミロアに攻撃しろと手で合図した。
ミロアは涙を浮かべながら、妖精王に攻撃して形なきまでに消してしまった。
「こんな病気が流行る前に出会いたかった。
妖精王だって、化け物扱いされて死にたくなかったと思う。
チェルミ、ディルバありがとう。
これから他のウィルス感染者の数を把握して、少し法改正もしなくてはいけないと思う。」
「お兄さままさか・・・?」

